氏名: 山田 剛史 (m05782)

論文題目: ルールの対称性を考慮した遺伝アルゴリズムによるT1/2taskの解の探索


論文概要

セルラーオートマタ(以下CA)とは、セルと呼ばれる有限の状態を持つ要素を結合し、その要素間に局所的な相互関係を与えたモデルのことである。CAは、この相互関係及びセルの初期状態の影響を受けて非常に様々な振る舞いを示す。それ故にCAは最も単純な自律分散システムの一つと考えられている。しかし、要素間の相互関係を表す遷移関数によって構成されるルール空間は、簡単なCAでも非常に大きなものとなる。そのために、なんらかの演算もしくは作業などを行わせるのに適したCAのルールを発見するのは大変な労力を要する。そこで、CAのルール探索に遺伝アルゴリズム(以下GA)を適用する研究が行われている。今回は、そのうちでもCAによるT1/2task実行に適したルールを探索するGAに関する研究を行った。T1/2taskとは、1次元2状態CAの初期状態に2進列を与え、その2進列に0、1のどちらが多いかを判定する作業である。このT1/2taskを実行するCAの遷移関数には入力の左右及びビット反転に対する出力の対称性が必要である。そこで今回の研究では、交叉によってこれらの対称性が破壊されない2層遺伝子を新たに提案し 、その有効性について検討した。
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