氏名: 横井敬明 (m05783)

論文題目: 反応・拡散方程式系によるランダムドットステレオグラムの解析


論文概要

本研究ではランダムドットステレオグラム(以下RDSと略記)から3次元情報を導き出すことを考える。RDSから3次元情報を導出するという問題には誤標的問題などが存在するため、一般的に解くことが困難とされてきた。そこでこれらの問題を解決するために、自律分散的な手法を用いて、RDSを解析するシステムの構成を試みた。具体的には、動的な素子が近傍間相互作用している自律分散系を考え、そこに3次元立体構造が自己組織化されるシステムの構築を目指した。化学反応・熱対流などにおける自己組織パターン生成現象は、主に反応・拡散方程式系によりモデル化される。この系に自己組織化されるパターンは、入力画像とともに反応項と拡散項のバランスにより決定される。それらの関係を用いて、局所的な素子間の相関と大域的な相関との差から立体構造を導出・自己組織する系を構築した。この方法は、近傍素子間の相互作用のみで定式化されるので、従来のニューラルネットワークで起こる結線数の組み合わせ爆発という問題は起こらない。この手法により構成されたシステムによりRDSから3次元情報を導き出すことができることをシミュレーションで示し、 その性能を検討した。
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