氏名: 伊藤正博 (m953404)

論文題目: 偏微分方程式の無限要素解法


論文概要

 本論文では、偏微分方程式の無限要素解法について述べる。
 本研究の基礎となる有限要素法は、解くべき領域を分割し、それぞれの要素 に対して近似式を構成して解く、という考えに基づいている。このような近似 解法の特徴として、得られる解の精度は領域の分割に対応する、という事が挙 げられる。すなわち、精度を上げるためには分割を細かくする必要がある。し かし、そうする事により計算量が非常に大きくなる傾向がある。
 このような問題に対し有効な方法として無限要素法がある。この方法は、有 限要素法の拡張として位置付けられ、領域を層として相似分割することによっ て、二層間の関係によりすべての層の近似解が求まる。つまり、理論的には無 限の分割によって得られる無限次元の線形方程式が、有限次元の一般固有値問 題に帰着される。例えば、解の変化が激しい特異点付近の細かい領域分割など に有効である。
 本研究では、この Ax= λBx 型の一般固有値問題において、 Durand-Kerner法により固有値を効率良く求める計算方法を示す。
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