氏名: 五島康文 (m953415)
論文題目: 表面粗さ規格を考慮したコンピュータグラフィックスによる表面光沢の質感表現に関する研究
論文概要
今日多くの工業製品の製造の試作段階において,コンピュータグラフィックス
(以下CG)映像を用いた検討が行われている。その際,形状はCADシステム
によりかなり正確にシミュレーションすることが可能であるが,材質感に関する
CGパラメータは実際の表面の微細な粗さによる物理特性を反映したものになっ
ていない。本研究では,JIS規格で定められている表面の微細な粗さの仕様に基づ
いてCGによる材質感表現のための基本手法を開発した。実験ではシステムキッ
チンなどに利用される模造大理石を対象とし,以下のことを行った。
1.まず実際に作成された粗さの違う2種の模造大理石の表面凹凸の測定値を用
いて,主に測定点間隔毎の傾きを解析することにより,粗さの違いに基づいたC
Gパラメータを決定する方法を確立した。
2.求められたパラメータを利用してCGを作成し,2種類の材質感を表現でき
ることを確認した。
3.次に測定値の周波数領域等のデータを参考にし,表面粗さの規格値に基づく
仮想的な表面凹凸の生成手法を開発した。
4.この仮想表面に対して前述のレンダリング手法を用いてCG映像を生成し,
規格値に基づいた仮想表面の質感をシミュレートできることを確認した。
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