氏名: 丹羽 剛 (m953427)

論文題目: 並列プログラムにおけるメッセージの非決定性に関する研究


論文概要

並列プログラムの開発における問題のひとつに, プログラムの非決定性が挙げられる. プログラムに非決定性が存在すると, 同一の入力であっても実行ごとにプログラムの挙動が変化する可能性がある. 出力を不定にする非決定性は,プログラムのバグであると考えられるため, このような非決定性は除去されなければならない. メッセージ・パッシング型並列プログラムでは, 非決定性はメッセージの到着順序に発生する. よって,プログラムの非決定性を把握するために, メッセージの到着順序関係について非決定的な部分を調べる必要がある. 本研究では, 問題となる非決定的なメッセージを調べるための範囲を提示することを目的とする. バグとして除去されるべき非決定性は, 本来ならば到着することが意図されていないメッセージが到着する場合である. そこで,メッセージの到着範囲を調べる必要がある. メッセージの発生についての順序関係が利用して, メッセージの到着範囲を限定できる. また,メッセージの非決定性が影響を与える範囲を求めることで, 対象範囲内のメッセージの非決定性についてのみ調べることを可能となる.
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