氏名: 山内英男 (m953434)

論文題目: Turbo-Codeを連接符号化したときの復号誤り率の考察


論文概要

今日の情報化社会において扱われるデータ量は増大し続けており、いかに迅速 に、かつ正確に処理するかは重要な問題である。しかし、そこで扱われるデー タ量が増すほど色々な雑音が加わるため、その正確さは減少してしまう。この ような現象に対して、情報を相手に正確に伝送する目的をもつ誤り訂正符号は 非常に有用であり、これまで盛んに研究され利用されてきた。これらの中でも、 近年新しくBerrou,Glavieux,Thitimajshimaらによって提案されたTurbo-Code は、そのシンプルな構造にもかかわらず、シャノン限界に近い誤り訂正能力を 持つとして注目を集めている。しかし、その復号誤り率特性において、低い SN(信号対雑音電力)比では優れた復号誤り率の向上をみせるのに対して、高い SN比では誤り率の向上の割合が小さいエラーフロアをみせる欠点をもつ。また、 この復号器の構成から避ける事のできない遅延の問題も存在する。本論文では、 シンプルなブロック符号をこのTurbo-Codeと直列に連接し、より低い誤り率を 実現させることを提案する。この際、遅延の主な原因と考えられるTurbo-Code のインタリーバサイズは小さなサイズを選択し遅延の減少をはかる。インタリー バサイズの縮小によりTurbo-Codeの復号誤り率は劣化する性質をもつことから、 ReedSolomon符号を連接させ訂正能力を向上させる。この結果、大きなインタ リーバをもつTurbo-Codeに比べ、この連接した符号の復号特性が優れているこ とを示す。
目次に戻る