氏名: 小林 渉 (289634202)
論文題目: 自然な数式構造に基づく数値計算システムの構築
論文概要
本論文では、数式の意味と構造を表わすデーター構造を定義しそれを
数学的に解釈し実際の数値計算を行なうシステムの構築について述べる。
計算機を用いて数式を解析し、実際に数値計算を行なう場合には木構
造のような硬い構造の数式データー構造が望ましい。 一方、普段我々が
用いるような数式表記に従って入力・編集を行なえるシステムを構築し
ようとする場合、ある程度可変的な数式データー構造が必要である。
そこで、数式記号を編集作業において比較的変化しやすい構造とそう
でないものにわけると、四則演算や不等号のような二項演算の構造をも
つものとSIN、COS、総和などの関数の構造をもつものにわけることがで
きる。二項演算等、変化しやすい構造に対しては普段の表記習慣に従う
形で並列的な構造で表記し、関数など変化しにくい構造に対しては硬い
木構造として表記する。つまり、構造的に一意に表記された関数を二項
演算によってつなぎ合わされているようなデーター構造を数式のデーター
構造として定義する。
このデータ構造は数値計算に必要な計算木に近い表現でもある。それ
ゆえ、それを再帰下降パーサーで解析することで、実際に計算を行なう
計算木が簡単に構成できる。
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