氏名: 林 正和 (289634369)

論文題目: 仮想化人体のナビゲーションにおける高速表示手法の検討


論文概要

 本論文では,仮想化人体などの3次元濃淡画像の高速表示手法についての比較検討する.従来,3次元濃淡画像の表示にはサーフェスレンダリングやボリュームレンダリングといった手法が用いられている.そこで本論文では,それらと新たに提案する3次元濃淡画像の表示手法とともに,仮想化人体内部の探索という観点から画質と表示速度について比較検討を行う.サーフェスレンダリングでは,抽出したボクセルにMarching Cubes法を適用したものを用い,ボリュームレンダリングでは,Ray Casting法を用いた.また高速化のためにグラフィックスハードウェアを用いた3次元テクスチャによる高速表示手法も実現した.新しい手法は,3次元濃淡画像上で濃度値勾配があるしきい値以上の画素に対応して,色と不透明度のついた面を作成し,各面を描画することで画像を得るものである.各手法の評価基準としては,仮想化人体内部の探索という観点から,3次元濃淡画像の持っている情報をできるだけ損なわず,また,自由な視点からの観察が可能であり,高速に表示できることとした.各手法を実際の胸部CT像に対して適用した掘 覯漫ぢ次元テクスチャを使ったボリュームレンダリングが色や不透明度の指定により情報の欠落を抑えることが可能で,画質も高く,表示速度も高速であり,仮想化人体の表示に適した手法であることが知られた.
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