氏名: 福井 啓 (289634385)
論文題目: ある一方向性誤り検出符号に対する完全自己検査性検査回路設計法の研究
論文概要
近年の情報化社会において、計算機システムに対して高い信頼性が要求され、
回路の故障検査の重要性が高まってきた。論理回路の故障検査法の一つとして、
完全自己検査性回路がある。完全自己検査性回路は、通常動作中に回路内部に
故障が発生したときにある通常入力に対して非符号語出力が出ることによって
故障が検査される「自己検査性」という性質と、故障が原因で誤った符号語を
出力しない「故障に対して安全」という性質をもつ回路である。この回路は、
ある符号語を出力する機能回路と、その出力を検査する検査回路から構成され、
それぞれの回路が完全自己検査性を持つ必要がある。本論文では、ハミング符
号などの誤り訂正符号に冗長ビットをさらに加えた符号に対する完全自己検査
性検査回路設計法について考察する。この符号はランダム誤り訂正の他に一方
向性多重誤り検出もできるようにしたものである。検査回路は組織符号に対す
る設計法を拡張して設計するが、この時に誤り訂正符号の重み分布や、誤り訂
正符号に付け加えられた冗長ビットがすべてのベクトルをとらないことを考慮
して設計する。誤り訂正数、情報ビット数が少ない幾つかの符号について完全
自己検査性検査回路回路を設計できることを示す。
目次に戻る