氏名: 古川 淳 (289634415)

論文題目: 最小2乗法による解析関数の大域的有理関数近似


論文概要

この論文では複素平面における単位円内部,または外部で正則な解析関 数を有理関数によって近似する方法と,それを計算機上で実現した結果 について述べる.有理関数近似は多項式近似より比較的少ないパラメー タで良い精度を得ることができることも多いが,極配置の制御が難しい. この方法は適切な有理関数モデルを用い,単位円周上で被近似関数の最 小2乗近似を行なうことにより,近似領域に有理近似式の極が侵入する 可能性を排除している.被近似関数をFFTによりLaurent展開して,その 係数に基づく線形最小2乗問題を解くことにより,この方法を数値的に 実現できる.分子,分母ともに多項式の有理関数モデル用いた数値実験 の結果,ある次数までは次数を増やすに従い被近似関数との誤差は指数的 に減少したがそれ以降は丸め誤差の影響を受け誤差の減少が頭打ちにな るものもあった.これを解決するため先述の方法で求めた有理関数を部分 分数したモデルを用い,分子,分母の冗長な要素を削ることによって情報 を圧縮し,より低い次数での高精度を実現した.
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