氏名: 澤田 雅明 (289734207)

論文題目: 力覚フィードバックによる3次元濃淡情報の提示手法に関する研究


論文概要

 本論文では,3次元濃淡画像の情報の提示手法として視覚に加え力覚フィードバ ックの導入を行った.力覚フィードバックの研究において重要な力覚レンダリン グは大きく分けてサーフェスレンダリングとボリュームレンダリングと呼ばれる 一般的な手法がある.前者は物体の表面データに対して,後者はボリュームデー タに対して計算する手法である.3次元濃淡画像情報の提示に際しては,ボリュー ムレンダリングの手法が有効であるが,従来の研究の力覚モデルでは力覚フィー ドバックを用いて個々の探索点での情報を得ることが出来たが,画像全体の構造 を直感的に把握するのは難しかった.  そこで,本研究では3次元濃淡画像における濃淡値の情報およびその画像全体の 構造を力覚フィードバックにより効果的に提示するために,ボリュームレンダリ ングの手法を用いた新しい提示手法およびその力覚モデルの提案および検討を行 った.  まず,3次元濃淡画像中の探索点の濃度値のみに対応した反力を計算する手法を 考えた.次に構造の把握を助けるために3次元濃淡画像の情報として重要と思われ る濃度値の変化が大きい境界を容易に知覚することが可能な手法を検討した.具 体的には探索点における濃度値と,探索点から移動方向上にある点や等距離の点 の濃度値との差分を考え,それぞれの値に応じた反力を計算し力覚フィードバッ クを行った.  最後に,検討した手法を人工画像および実際のCT画像に適用し実験を行った.そ の結果本手法により3次元濃淡画像の濃度値およびその変化の境界を容易に知覚す ることが可能であった.これは,画像全体の構造に対して直感的な把握を助ける ものであり本手法の有効性を確認した.


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