氏名: 鈴木 宏紀 (289734258)

論文題目: プログラム構造図を基にした動作情報視覚化の枠組み


論文概要

プログラムを理解するには,プログラムの様々な側面を理解する必要がある.具 体的には,プログラムを静的に解析した情報だけではなく,プログラムを実行さ せることで得られる情報も不可欠である.しかし,一般的にプログラム動作情報 は膨大な量になり,それを理解するのは困難である.そのような膨大な量の情報 は,視覚化することで利用者の直感的な理解を促すことができる.また,図表現 は文字表現よりも多くの情報を簡潔に表示することができ,同時に直観的なグラ フィカルユーザインターフェイスも提供できる.

既存の動作情報視覚化システムの場合,アルゴリズムアニメーションのように特 定のアルゴリズムに照準を絞っているため他のアルゴリズムを視覚化できなかっ たり,ビジュアルプログラミング言語の視覚的実行のように分野が狭く汎用性が 乏しかったりしている.また,動作情報のみの視覚化を目的とし新たな図を設計 したため構造情報との対応が取りづらくなり,その対応付け作業が理解の妨げと なっているシステムも存在する.

本研究では,膨大な量のプログラム動作情報を視覚化することで,動作理解を容 易にし,プログラム理解を支援することを目的とする.まず,一般的に動作の理 解はその構造と対応を取りながら行われることに注目し,プログラム動作情報も 既存の構造図を基に対応付けをすることで視覚化できるという枠組みを提案した. 次に,その枠組みに基づいた動作情報視覚化手法を3つ挙げ,それらの比較を行っ た.最後に,3つの視覚化手法のうち制御構造とデータ構造を同様に視覚化でき るプッシュアウト方式を用いてプログラム動作情報視覚化システムを試作した. そして,そのシステムを用いて既存のシステムを視覚化し,評価を行った.


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