氏名: 林 孝行 (289734355)

論文題目: オブジェクト指向パラダイムによる間取り図面事例ベースの表現法


論文概要

事例ベース推論は従来のルールベース推論に比べて、知識利用、知識獲得の点 で優れている。今日までに、事例ベース推論を用いたプロトタイプ システムが構築され、いくつかの問題解決手法が提案されている。 また、事例ベース推論での問題点として、「事例の特徴抽出」「事例間の類似 性」「事例の表現」「事例ベース構造の分類」などがあげられる。

本稿で我々は事例である間取り図面をいかに表現するかについて議論する。 従来通りに、図面の特徴を属性・値で表してしまうと、間取りや論理回路など のように複数の部品がつながりあって図面を構成しているような場合、お互い につながりあって成している機能を表現しにくい。従って我々は図面をより図 面らしく表現する方法を提案する。基本的な考えは、間取り図面の表現を 一般的に見られる視覚的な表現である「物理図面」とシステム の内部表現である「論理図面」とに分離し、論理図面にオブジェクト指向表現 を適用する方法である。我々は主に論理図面のオブジェクト指向表現を中心に 述べる。

論理図面は部屋、廊下、玄関を表す「実体オブジェクト」と、壁を表す「関連 オブジェクト」のネットワークで構成される。我々はこれらを操作が可能なオ ブジェクトとして定義する。関連オブジェクトは実体オブジェクトの接続形態を 保持する。また、図面に変更が加えられた際も、個々のオブジェクトが「制約」 を保持することにより図面全体の一貫性を保つ。


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