氏名: 日高 隆博 (289734380)

論文題目: プログラム動作情報のモデル化と理解支援への応用


論文概要

現在主に利用されているプログラム理解支援システムは,依存解析などの 技術を応用した,ソースプログラムを静的に解析するためのシステムである. 依存解析には,回数が決定できないループの解析や複数の関数に またがった解析を行うことができない,という制約があるため, このような静的な解析が困難なソースプログラムを扱う場合には, プログラムに実行時に与える入力についても考慮することが有用である.

本研究では,まず,プログラムを動作させた時の実行情報を扱うための モデルを提案する.動作情報モデルは,プログラムの実行,それを構成する 命令,領域,値の3つの 要素から構成されており,プログラムの動作中の情報を扱うためのモデルである.

また,この動作情報モデルに基づいた動作情報取得・蓄積を行うための 基本的動作解析パッケージを作成し,動作情報モデルと動作解析パッケージの 有用性を評価するため,動作解析ツールを試作した. 本ツールを利用する事で,保守担当者は,プログラムの動作パスの 異常な部分を発見し,その原因を追求するために,このツールを利用 することができることを示した.


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