現在、技術の向上によりディジタル化された映像の数が増えてきている。そのよう な中、ディジタル化された映像に対してデータベースを構築し、検索する方法が必要 になってきている。
画像検索の方法としてキーワードによる検索、アブストラクト画像による検索、ブ ラウジングによる検索などがあるが、動画像検索ではキーワードによる検索が一般的 である。検索対象であるシーンに直接キーワードなどの属性を付加し、指定された属 性を持つシーンを検索する。しかし、この手法では、検索対象となるシーンはあらか じめ限定され、キーワードの語彙やシーンのとらえ方がデータベース作成者の視点に 依存する。そのため、付加メディアが存在しない一般ユーザの撮影した映像やスポー ツ中継、防犯カメラの映像などのライブ映像では作成者の視点と利用者の視点は一致 しにくいので、利用者の視点に基づく検索は困難である。
本研究では、ライブ映像を対象にして、利用者の視点に基づいて検索するためにイ ベント-アクティビティ・モデルを採用して、動画像にもともと存在する移動物体を 画像処理で抽出し、実体として定義する。その移動特性の変化（位置）はイベントと して定義され、対応する動画像のフレームにイベント・インデックスを付けることに より、移動物体の動き特徴（方向、速度）をイベント系列で表現する。利用者はイベ ント系列パターン（アクティビティ）を指定し、イベント系列中からパターンに含ま れる部分系列を抽出することによりシーン検索を実現する。