氏名: 成瀬彰 (m05771)
論文題目: 並列処理プログラム開発のためのデータ共有機構に関する研究
論文概要
並列計算機はその構造上の特徴から共有メモリ型と分散メモリ型に
分類される。共有メモリ型はプログラマにとって優しい開発環境を提供するが、
一般に分散メモリ型と比較してアーキテクチャが複雑であり処理速度に
問題があると言われている。一方、分散メモリ型では、プロセッサ間通信が
メッセージ・パッシングによって実現されており、大規模なアプリケーション、
もしくは非同期アプリケーション開発においては、
その通信の整合性を保つことが困難である。
本論文では分散メモリ型並列計算機上に、ソフトウェアで共有メモリモデルを
実現する試みの一つとして仮想共有メモリPSMの提案を行なう。
対象アプリケーションとして画像処理を考慮した上で、
PSMに必要とされる機能の明確化する。
我々は通常の共有メモリモデルが提供する配列型に加え、スプール型
のデータモデルを提案する。
配列型はプロセス間での純粋なデータ共有機構を提供し、
スプール型は通信の間に仮想キューを設けることで
通信相手を仮想化できる機能を提供する。
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