一般に、地図には文字列が任意の大きさ、方向で記載されているので、文字 列の抽出が困難である。しかし、これらの文字が孤立しているのが少なく、文 字列になるものが多い。これ以外に、多くの文字列が比較的に他の文字列と分離して いる。これに対して、本論文では、近傍の文字のサイズ情報に基づく確定法で 文字領域を抽出し、さらに、文字配置の特徴を利用して、文字列の抽出方法を 紹介する。
以上の方式で抽出された文字列は必ずしも本当に文字列であるとは 限らない。特に、地図中の公共建物名が記号つきで書かれており、これらの記 号の多くは建物名のサイズと配置が違うため、抽出された建物名の多くが記号 なしである。そこで本論文では、抽出された文字列に対して、カラー情報を利 用して、検証を行ない、さらに、建物名文字列と記号の配置関係を利用して記 号の抽出を行なう方式を紹介する。
以上の処理により、地名と記号つき建物名を別々で抽出することが可能とな る。