氏名: 安藤彰 (m06722)

論文題目: 画像処理エキスパートシステムIMPRESSにおける負サンプルの利用方法に関する研究


論文概要

画像処理エキスパートシステムが問題解決を行う際に,ユーザの意図する処理 目的を正確に把握することは,処理を進める上で非常に重要な要素の一つとなっ ている.IMPRESSにおいては,ユーザは抽出して欲しい画像特徴を直接図形(サ ンプル図形)として提示することができ,これにできるだけ近い図形を抽出す る画像処理手順を簡単に得ることができる.ところで,ユーザの意図をより正 確に理解するためには,抽出したい図形(正サンプル)だけでなく抽出したくな い図形(負サンプル)の情報を利用することが有効であると考えられる.しかし, これまでに負サンプルの情報を利用したシステムの研究例はほとんどなく, Vogtが主に2値画像を対象とするシステムにおいて用いている程度である.そ こで今回は,IMPRESSの入力として正サンプルとともに負サンプルの提示も許 すようにシステムの拡張を行い,正サンプルに対応する図形は従来と同様に抽 出し,負サンプルに対応する図形の抽出を抑制する画像処理手順を獲得するた めの新しい手順推論方法を提案する.また,この方法を人工画像および実画像 のエッジ抽出問題に適用し,その結果から本方法の有効性を考察した.
目次に戻る