氏名: 飯盛可織 (m06725)

論文題目: 「の」を含む名詞句の日英翻訳に対する用例ベースアプローチ


論文概要

日本語において、名詞句と名詞句を「の」で結んだ「XのY」という名詞句はよく現れる表現であり、様々な意味関係を持つため意味解析や翻訳を行なうことが難しい。 「XのY」についての従来の研究では、X、Yそれぞれの名詞句の主要部の名詞に注目し、その意味分類や統語範疇などの関係を用いて、名詞句「XのY」の意味を決定しようと試みている。 機械翻訳を考えた場合、多様な意味関係を持つ表現の訳を行なうのに最も確実な方法は、一つ一つの表現に対応する目的言語の表現を用意しておいて、当てはめていくことである。しかし、実際に全ての表現に対応する目的言語の表現を準備することは不可能である。従って、用例を基に翻訳を行なう際に重要なのは、一致する用例が存在しない場合にどのような用例を当てはめて訳を行なうかである。 従来の用例による翻訳ではパターンを決定するために、用例パターンと出現パターンに現れる語同士の意味の近さを計算している。本研究ではさらに、「の」を含む名詞句のみにターゲットを絞り、動詞句との関係や、並列関係などを手がかりにして翻訳パターンを決定する方法を示した。
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