氏名: 小川秀人 (m06736)

論文題目: 多エージェント系自己認識論理の特徴付けと決定手続きに関する研究


論文概要

常識を用いた推論や不完全な知識の下での推論の形式 化の1つとして、自己認識論理がある。この自己認識 論理の拡張として、マルチエージェント環境での各エ ージェントの知識の論理的構造を形式化した多エージ ェント系自己認識論理(MAEL)が外山によって提案され ている。また、これとは独立した研究としてJiangによ っても同様の体系が提案され、これもMAELと呼ばれる。 これらの体系は、共に自己認識論理の拡張であるが、 異なった意味論を持つ。

そこで、まず、外山のMAELとJiangのMAELの比較を行な う。これは、外山のMAEL論理式をJiangのMAEL論理式に 変換し、JiangのMAEL上での推論が外山のMAELでの推論 に対応することを示すことで、両体系間の関係を示す。 これにより外山のMAELの位置付けを行なう。

また、外山のMAELに対する決定手続きとして、従来タ ブロー法に基づく手法が知られているが、本論文では 論理式の変換に基づく手法を示す。本手法は、節と呼 ばれるMAEL論理式の集合を命題論理式集合に変換する ことで、MAELにおける決定問題を命題論理における充 足問題に帰着するものである。


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