氏名: 森孝夫 (m06752)

論文題目: 疎格子標本点を用いた多次元数値積分法


論文概要

  一般に、多次元関数の定積分値を求める場合、関数評価の数は、
1次元積分で必要な数の次元乗程度であって、大変膨大な数となる。
  そこで、多次元関数の数値積分則の構成では、標本点数を実用に
耐えられる範囲までおさえることが重要な課題となる。

  本論文では、多次元積分の標本点集合として、Zengerの考案した
疎格子を用いることを試みた。疎格子とは、基本周期を1とする階層
型の標本点集合で、次のような性質を持つ。
  (1)段階毎に標本点数が増加する。
  (2)各段階の標本点集合は、その前の段階の標本点集合を全て含む。
特に、(2)の性質を利用することで、標本値を再利用しながら標本点
数を増加させていく形の積分則が構築可能である。

  本研究では、対象とする関数を、Korobov型関数(比較的低周波の
周期関数)として、疎格子の特徴を活かした積分則を構築した。
  また、数値実験によって、代表的な多次元積分則である優良格子
点法(Good Lattice Point法)との比較を行い、その有効性を示した。

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