氏名: 山田隆弘 (m06755)
論文題目: M平面を用いたテストパターンの評価
論文概要
近年のLSIの大規模化、高集積化にともなって、回路の故障検査技術は一層重要
なものになりつつある。このような技術の一つとして挙げられるのが組み込み
自己検査(BIST:Built In Self Test)である。BISTは、テスト用の疑似乱数
発生器とデータ圧縮器を回路に埋め込むことによって、外部(テスタ)からの
大量のテストパターンをもらわずにテストを実行するものである。したがって
このような故障検査のための疑似乱数発生器によるテストパターンの集合は、
少ないパターン数で高い故障検出率を得るために、なるべくランダムであること
が要求される。
本論文では、M平面をテストパターンとして用いる方法の評価を行う。M平面とは、
M系列を2次元に並べ変えたものである。まず、他のパターン発生器によるテス
トパターンとのランダム性の比較を統計的検定により行い、M平面の優位性を
示す。次に、テストベクトルとしてM平面の行ベクトルを採用した場合と、列ベ
クトルを用いた場合のランダム性の相違についても述べる。
また、ISCAS-85ベンチマーク回路における単一縮退故障の検出のシミュレーショ
ンを行い、95%の縮退故障を検出するのに必要なテストパターン数を比較する。
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