研究室紹介

酒井研究室

プログラムの意味ってなんだろう

虫のいないプログラムはない」といわれるほど、誤りのないプログラムを作るのは大変な作業です。プログラムの正しさをきちんと表すためには、プログラムの意味を数学的に定めてやる必要があります。本研究室では、プログラムが持つ基本的な性質の研究を進めており、効率的な計算のための計算戦略やプログラムの持つ性質を自動証明するための枠組みやその基礎技術、与えられたプログラムと意味が同じであるがより効率的なプログラムに変換する方法などについて研究しています。これらを通して、信頼性が高くて効率の良いソフトウエアの作成法の開発を目指しています。

枝廣研究室

シングルプロセッサからマルチ・メニーコアプロセッサへ

いま、情報システムの頭脳ともいえるプロセッサが大きく変わろうとしています。シングルプロセッサからマルチコア、そしてメニーコアへ。電子回路の最小単位であるトランジスタの最小寸法が100ナノメートル(1ミリメートルの1万分の1)を切る中、単体のプロセッサが性能限界を迎えています。一方で情報システムへの性能要求はますます高まっているため、単一のプロセッサでは性能要求を満足できない時代になってきました。例えばスマートフォンでも複数のプロセッサを使うようになってきています。 一つのLSIに複数のプロセッサを搭載したものをマルチコアといい、中でも数十を超えるようなプロセッサを搭載するものをメニーコアとよんでいます。ところが、多くのプロセッサを効率よく使うようなソフトウェアを記載することは簡単ではありません。枝廣研究室ではそのようなマルチコア、メニーコアプロセッサを前提としたときの、将来のシステムやソフトウェアに関する研究を行っており、並列分散システム研究室(PDSL)と名づけています。

高田研究室

組込みシステム設計・開発技術を強化する

各種の機械や機器に組み込まれてそれを制御するコンピュータシステムを、「組込みシステム」と呼びます。組込みシステムの多くは、機械を制御しているという性格上、あらかじめ決められた時間内に処理を終えなければならないという性質(これをリアルタイム性と呼びます)を持っています。私達の研究室では、リアルタイム性を求められる組込みシステムの設計・開発技術を、ソフトウェアとハードウェアの両面から、さらにはその融合領域の研究を行っています。組込みシステムの適用分野は、家電製品、携帯電話機などの通信機器、自動車、ロケットや人工衛星なのどの宇宙機、ロボットなど多岐に渡りますが、私達は特に自動車の制御システムに重点を置いて研究を進めています。また、組込みシステム向けのOSを開発しそれをオープンソースとして公開するプロジェクト(TOPPERSプロジェクト)も推進しています。

関研究室

ソフトウェアの理論と応用をつなぐシンプルで独創的な研究を

本研究室では、形式言語理論、ソフトウェアの基礎理論を応用して、セキュリティ・プライバシー保全技術、大規模データの効率的運用のための構造化データ圧縮や自動変換技術に関する研究を行っています。研究では、なぜ問題がうまく解けたのか(もしくは、解けなかったのか)を客観的に理解することも重要です。理論に根ざした応用研究にはもう一つ、現実の問題を解く過程で得られた知見を通して、理論自体が進展するという面白さがあります。学生さんとともに、10年後、20年後の研究潮流のさきがけとなるようなシンプルで独創的な研究を行いたいと思います。

結縁研究室

バグのないソフトウェアを目指して

ウェブブラウザから自動車の制御システムまで、様々な所でコンピュータソフトウェアが活用される今日の情報化社会では、ソフトウェアの不具合は大きな社会問題として取り沙汰され、正しいソフトウェアの開発が重要な課題となっています。本研究室では、不具合のないソフトウェアの開発技術の確立を目指し研究を進めています。例えば、近年、世界的に高い関心を集めている「ソフトウェアモデル検査」の技術を発展させ、ML など関数型言語やJava などオブジェクト志向言語に対するプログラム検証器を開発しています。また、外部環境にリアルタイムで対応し動作する実時間プログラムや、複数のプロセスが同時に動作する並列分散システムなど、複雑な振る舞いをするソフトウェアの解析・検証も行なっています。

宮尾研究室

情報分野でユーザビリティ=人間中心システムをきわめる

人に優しいユビキタス社会の構築をめざして、3D映像、電子ペーパー、多言語情報システムについて研究しています。 1. 立体映像の自然な見え方の研究。両眼視による自然視・3Dディスプレイ上の立体映像の視標注視時の輻輳および片目の水晶体調節をリアルタイムで測定し、安全でダイナミックな、かつ、リアリティを向上させた立体映像を作るためのガイドラインを提示することが目的です。 2. モバイル機器のユーザビリティ。電子ペーパー用デバイスの各種環境照度下における可読性評価や、視角依存性、長時間の快適な読書に適した照度など、新しいデバイスに対する評価方法の基礎的研究、基準づくりを進め、電子ペーパーの国際標準化に向け提言を行っていきます。 3. 多言語防災情報システムの開発。防災対策、被災地における情報、救急医療をはじめとする医療情報、適切な医療機関の案内について、現地の言語にリアルタイムで翻訳、配送するシステムを開発中です。

村瀬(勉)研究室

安定/安心/便利な次世代情報ネットワークの実現をめざして

次世代のネットワークでは、パソコンなどに限らず、ありとあらゆる物に超小型コンピュータが搭載されてネットワークに接続され、相互に関連し合いながら動作するようになります。車載機器や人間が身に付ける衣服なども例外ではありません。また、ネットワーク上に構築される仮想的な空間での社会活動も、これまで以上に私達の生活から切り離せなくなるでしょう。このようなネットワークを安定かつ効率的に構築運用するシステムや、ネットワーク上での人間の繋がりを促進するための技術、さらには、サイバー攻撃から保護するための検知・防御システムの研究開発を行っています。

片桐研究室

身近な高性能・大規模計算環境を目指して

ソフトウェアの性能が今より1000倍高速であれば、我々が常識と思っている技術的限界を打破できることに疑う余地がありません。本研究室では、工学・理学分野で行われる数値計算シミュレーションを対象として、スーパーコンピュータを使った大規模数値計算を効率的に実行し、その結果として得られる大規模データを解析して現象を容易に理解するための研究を行っています。また、共同利用・共同研究拠点である情報基盤センターに設置されている最先端のスーパーコンピュータを、より便利に、より効率的に使える数値計算手法、計算機言語、ツール、フリーソフトウェアの開発、および、計算機システムの構築および運用に関する研究を行っています。

山本研究室

ディペンダビリティ保証技術の確立を目指して

通信サービス、金融サービス、通販サービス、交通運輸サービス、自動車、衛星、家電製品など、社会生活のあらゆる場面で、ソフトウェアがなくてはならない存在になっています。ソフトウェアがこれらの製品やサービスを支えているということは、これらの製品の安全性やサービスの継続性などの顧客価値を、ソフトウェアが持つことを客観的に示すディペンダビリティ保証技術が必要です。このため、ソフトウェア要求、設計、製造、試験、保守、運用を含むソフトウェア開発・運用プロセスの全ライフサイクルを一貫して支援するディペンダビリティ保証技術について研究を推進しています。

村瀬(洋)研究室

映像・画像の認識により視覚機能を増強

実環境中の映像・画像情報を認識・検索・理解するためのアルゴリズム、およびそのアルゴリズムを用いて人間の視覚機能を増強・支援する技術を開発しています。例えば長期間にわたる膨大な放送映像データの中から特定の映像がどこにあるかを素早く検索する、カメラ付き携帯電話や小型カメラで撮影した低品質画像を精度良く認識する、長時間の映像を監視しながら特定のイベントの発生を調べる、車載カメラなどで撮影された車外映像から特定の状況を認識しドライバーを支援するシステムなどを開発しています。これらの映像を中心としたマルチメディア情報に関して、パターン認識、コンピュータビジョン、画像処理の基本原理から応用までを幅広く研究しています。

工藤研究室

脳を知り、脳を創り、脳を助ける

人間は、見る、聞く、言葉を理解するという重要な情報処理を行っています。このような処理を行っている脳を知り/創り/助けることをモットーに、私達は、 1) 人間での情報処理の仕組みの理解、 2) 人間の優れた機能に学ぶと同時に独創的な着想に基づく視聴覚情報処理の計算機による工学的な実現(人工知能)、さらに、 3) 視聴覚機能を代替あるいは支援する福祉機器(福祉工学)、の研究をしています。最近の研究は、屋内・外のシーンを撮影した画像中の文字情報の抽出、複数の音が混じった信号から個々の音の分離、環境内で発生する音の識別、運動及び感覚系の教師なし学習、視聴覚事象の対応付けと知識の獲得、などです。これらの研究は、人間の能力を拡大する、あるいは人間を助けることにつながるもので、これが私の研究の指針です。

長尾研究室

実世界で使える賢いシステム(メカ、デバイス、アプリ)で未来を創造する

無人で動き回って立体的な地図を作るロボット、人を乗せて目的地まで運んでくれる移動体、話し合いの内容を記録して重要なところを教えてくれる会議システム、その会議で利用する特殊なポインティングデバイスとiPadアプリ、動画に含まれる任意のシーンを別のコンテンツに貼り付けるためのWebアプリなど、私たちの研究室ではいろいろなものを作って発表してきました。今までに存在しなかったものを発明し、それを使ってみて、その経験に基づいて、将来必要とされるであろう技術を創造しています。私たちは、一緒に未来を創っていける、アイディア溢れる人材を求めています。

戸田研究室

不可能を可能とする音メディア情報処理

戸田研究室では,様々な音信号を対象とした音メディア情報処理に関する研究を行っています。音声コミュニケーション支援,学習支援,創作支援,障害者支援などを対象として,1)音声情報処理(例えば,音声分析,音声認識,音声変換,音声合成,意図理解,対話制御など),2)音楽情報処理(例えば,楽音分析,楽音分離,楽音加工,楽音合成など),3)音環境情報処理(例えば,音イベント検出,音イベント識別,音環境理解など)を軸に,物理的な制約を超えて人の能力を拡張する(不可能を可能にする)ための基盤技術および応用技術の研究に取り組んでいます。国際的に競争力のある研究を実施して,国内外の研究者と盛んに交流することで,一人一人が持つ可能性を最大限に広げて頂きたいと考えています。物事を深く理解することを楽しみ,長所(個性)を伸ばしていけるような研究室を目指しています。

森研究室

真に社会に役立つ医用画像処理

森研究室では、画像処理、コンピュータビジョン、コンピュータグラフィックス、バーチャルリアリティなどメディア処理の中でも画像を中心とした研究を行っています。特に、2次元画像のみならず3次元画像や4次元画像など高次元の画像を対象とした研究を行っています。また、画像メディア処理の医療応用に関する研究も幅広く行っており、理論・手法の追及のみならず、それらを用いた真に社会に役に立つシステムの研究を行っています。「人」を対象とした画像処理のうち、「人体内部の構造」をコンピュータが理解し判断する研究を行っていることが大きな特徴です。実際に、研究室内で開発された手法は、病院などで病気の診断、治療、内視鏡手術などに生かされ、数多くの人の役に立っています。世界各地の研究者と共同研究を進めており、グローバルな研究ができます。また、学生の自主性を尊重し、自ら考え、自ら研究を進める姿勢を重視します。

間瀬研究室

コンピュータはコミュニケーションのメディアである

コンピュータは、時空間的な広がりとインタラクティビティを備え、計算をするツールから人間のメッセージ表現のためのメディアへと変化しつつあります。体験や記憶などのメッセージを記録・蓄積・検索・伝達するためのメディア処理技術、マルチモーダルなインタラクティブシステム、およびコミュニケーション支援システムの研究をしています。とりわけ現在は、画像処理やセンサ信号処理による状況の認識・理解技術やウェアラブル・ユビキタス環境における人工的な記憶補助と知識メディア獲得・流通さらに意図や興味の推定の研究に興味があります。人間同士の相互理解に貢献できる計算メディアの実現を追求しています。

石川研究室

大規模な情報資源を知的に活かす情報システムづくり

インターネットをはじめとして、今日の情報社会は日々の人間の社会活動から生み出される大量の情報であふれかえっています。しかし、その多くが有効に活用されないままになっており、大きな損失となっています。私たちの研究室では、大規模かつ多様な情報資源から有用な情報を抽出し統合することで新たな付加価値をもった情報を創出する、基礎から応用にいたる技術について研究を進めています。大量のデータを管理し分析するためのデータベースおよびデータマイニング、言語情報処理や音声情報処理の技術を駆使した知的情報活用、大量の情報資源を融合するための文書情報処理やウェブマイニングなどの研究開発に取り組んで います。

加藤研究室

画像・映像の認識を機械学習のアプローチから挑む

人に優しく、人との親和性が高い情報社会を実現するために、コンピュータが画像・映像から自動で知識を獲得したり、画像・映像の内容を理解するための技術と、これらの技術の実践的な活用について研究を行っています。特に、映像中の人物の自動検出や照合、人物の属性の精細分類、人物の行動認識といった要素技術の開発と、それらに基づいて、映像中のイベントをより高度に解析・認識する手法を、機械学習のアプローチから研究しています。中でも、最先端ディープラーニングに基づいたEnd-to-endの学習の研究に力を注いでいます。

外山研究室

言語と知識のコーディネーション

言語の理解と知識の利用に基づく高度情報システムに関する研究を行っています。これまでに、常識的知識の表現・推論手法や複数知識ベースの統合モデルを構築したほか、形態素解析、日本語-ウイグル語機械翻訳など日本語処理技術を開発してきました。最近では、法律の起草・改正・配布・共有・検索・適用など法律専門家が経験的に行ってきた作業を支援するシステム(電子化法制執務支援システム)の開発に関心があり、法律文書の構造化とその標準化、法律用専門対訳辞書の自動構築などに関する研究に、法律学者らと共同で取り組んでいます。言語情報が持っている構造や意味と、専門家が経験的に持っている知識情報とを適切に組み合わせて、人間を支援するシステムの開発を推進していきます。