電気電子・情報工学科 情報工学コースの主な研究分野は、計算機システム、ソフトウェア、ネットワーク、マルチメディア、知能システムの5つです。以下で、これらの分野について説明します。
本コースにおける計算機システムに関する研究は、組込みシステムと大規模計算に重点を置いています。組込みシステムとは、機器の中に「組み込まれた」計算機システムのことで、自動車や携帯機器など、私たちの身の回りにあるほとんどの機器が組込みシステムを搭載していることがわかります。より高い性能、多くの機能の組込みシステムによる安心・安全な社会の実現を目指して研究を進めています。大規模計算では、ものづくりの現場から出てきた様々な問題に対し、大規模シミュレーションを利用した現象解析などを行っています。より高精度・高解像度な計算流体力学のアルゴリズムの開発や、計算力学に基づく大規模数値解析技術、高速化技術、および応用技術、最適化問題についての研究を進めています。
RTOS(リアルタイム・オペレーティングシステム)、機能安全、高信頼化、デュアルOS、リアルタイムスケジューリング、ソフトウェアコンポーネント、資源管理
制御モデルからの並列化、タスク割当・スケジューリング、GPGPU(汎用グラフィックプロセッサ)、動的再構成プロセッサ
C言語からのハードウェア合成、ハードウェア・ソフトウェア協調設計・エネルギー最適化
リアルタイム性保証、車載ネットワーク、宇宙機ネットワーク
車載制御システム、航空機制御システム、宇宙機制御システム、交通流シミュレーション、自動運転、遺伝子解析
計算流体力学、高精度・高解像度計算アルゴリズム、高速並列化プログラミング、複雑系、可視化
計算力学、数値解析、ハイパフォーマンスコンピューティング、ハイブリッド並列処理、GPU
波動場計算、構造推定、進化計算、順・逆問題、スペクトロスコピー
今日の情報化社会において、ソフトウェアの不具合は大きな社会問題として取り沙汰され、正しく効率良いソフトウェアの開発は重要な課題となっています。本コースでは、理論から実用まで、広い視点からより良いソフトウェア開発のための研究を行なっています。例えば、モデル検査・抽象解釈などプログラム検証の研究および、λ計算・項書換え系など計算モデルについての研究を行なっています。また、ビジネスモデリング・要求工学など、ソフトウェア開発上流工程の課題にも取り組んでいます。
モデル検査、ソフトウェアモデル検査、型システム、抽象解釈、形式手法、定理自動証明、代数的仕様、セキュリティ検証、停止性検証
オートマトン、λ計算、項書換え系、プロセス代数、並列分散システム、実時間プログラム
コンパイラ最適化、プログラム生成、プログラム逆化
ゴールモデル、要求創造、要求進化、要求検証、要求マネジメント、組込み要求工学
ディペンダビリティケース、アーキテクチャ設計、エンタープライズアーキテクチャ、独立検証確認
難読化コンパイラ、Malbolge、プログラム改ざん防止
命題論理、 充足可能性判定、 DPLL アルゴリズム、 組み合わせ問題
次世代ネットワークでは、ありとあらゆる装置がネットワークに接続され、相互に関連し合いながら動作するようになります。また、ネットワーク上で仮想的な社会空間を構築するソーシャルネットワークの重要性もますます高まっていくでしょう。このようなネットワークを安定かつ効率的に構築運用するシステムや、ネットワーク上での人間の繋がりを促進するための技術、さらには、サイバー攻撃から保護するための検知・防御システムの研究開発を行っています。
マルチメディアに関する研究として、映像や音声・音響信号、医用画像、人間活動の記録、体験、仮想空間での活動など、多彩で大規模なデータを活用するための新しい技術手法と、これを利用した新しいコンセプトを提案する研究を行っています。車載画像や映像メディアなどの大規模な画像や映像の認識・利用に関する技術や、医療で役立つメディア処理技術や支援技術、人間の知覚情報処理の解明や工学的実現、体験や状況の記録・認識・理解技術、ユーザビリティなどについての研究を進めています。
物体認識、顔画像認識、人物照合、文字認識、超解像処理
歩行者検出、道路標識認識、視認性推定、地図構築、周囲環境認識
映像要約・編集、映像検索、ソーシャルメディア、調理活動支援
高次元画像処理、診断支援、手術支援、画像認識理解
手術ナビゲーション、ロボット手術、内視鏡治療、手術ナビゲーション
病変発見、大腸ポリープ診断、肺がん診断、肝臓診断、内視鏡検査支援、肺気腫診断支援
表現方式、アーカイブ技術、検索技術、セキュアコンテンツ、改ざん検出
視覚情報処理、聴覚情報処理、センサ情報融合、情報センシング、人間計測
立体映像、輻輳、水晶体調節、可読性、評価基準、国際標準化
ライフログ、行動認識・理解、センシング技術、AR、多視点・自由視点コンテンツ、スマートフォン、電子書籍リーダー
人間の思考や推論のプロセスを参考にして、機械にある種の知能を持たせる研究を行っています。具体的には、自律的に 動作するロボットや文章の理解などの応用技術に関する研究、知識システムやデータベースなどの知能システムの基盤となる技術の研究、人間との対話のような高度なインタフェースに関する研究、会議などの共同作業支援に関する研究、World Wide Webの高度化に関する研究などがあります。
実世界人工知能、センサー、アクチュエータ、自律制御、障害物回避、エージェント、インテリジェントビークル
形態素解析、構文解析、照応解析、情報検索、機械翻訳、自動要約、質問応答システム、情報抽出
知識表現、推論、探索アルゴリズム、機械学習
データベース管理システム、文書構造化、データマイニング、Web、ビッグデータ
対話、身振り、音声、マルチモーダルインタフェース
セマンティックWeb、Webコンテンツの自動要約、Webコンテンツの意味検索
グループウェア、コミュニティウェア、体験共有、コーチング支援、身体知、発想支援、会議支援、学習支援、トレーニング支援、バリアフリー情報支援